快適な空間づくりに欠かせない空調設備は、店舗の電気料金の大部分を占めており、健康的な店舗経営のためにも空調の省エネ化はとても重要です。
ここでは、店舗における空調の省エネ対策に焦点を当て、具体的な対策と効果などを解説していきます。適切な空調の省エネ対策を実施して、電気料金の軽減や環境負荷の低減を目指しましょう。
以下に業種別の空調における全電気料金に占める割合をまとめました。
オフィスビルや飲食店では、全電気料金の半分近くを空調が占めているのが分かります。医療機関やホテル、食品スーパーでも25%以上を占めており、空調における電気代の比率が高いことが一目瞭然です。
つまり空調の電力消費の状況を改善することで、省エネ効果が期待できます。
年によって気温が上昇したり、下降したりしていますが、全体的に1991年から2020年の平均気温は右肩上がりです。
平均気温の上昇により、熱中症での死亡者の割合も増加傾向にあります。そのため、空調による熱中症予防を行う店舗も少なくありません。
日本の多くの都市では、夏は暑いものであり、エアコンは屋内で快適に過ごすための必需品とも言えるでしょう。
しかしながら、エアコンにおいて発生した熱や電力エネルギーは、室外機から屋外へと流れ出てしまいます。結果、地球の気温上昇に繋がってしまうのです。
このような悪循環を回避するために、省エネ対策が注目されています。
2011年の東日本大震災以降、電気料金は値上がり傾向です。2010年と比較すると、2019年には25%ほど上昇。それに伴い、店舗経営における支出が膨らんでいます。
電気代の多くの割合を占める空調設備の省エネ化を図ることで、利益アップを実感できるでしょう。
脱炭素や電力消費の低減を目指す際は、以下の4つの省エネ対策を理解することが重要です。
空調のコイルやフィルターに汚れが付着していると、設定温度に達するまでに余分な電力が必要になり、電力使用量の増加に繋がります。
そのため、空調設備の定期的なメンテナンスとクリーニングは省エネを図るためにも大切です。
環境省が推奨しているクリーニング頻度は、2週間に1度。この場合の消費電力削減効果は冷房時で約4%、暖房時で約6%です。(※)
もしも清掃時に大量の目詰まりが生じているなら、清掃頻度を見直す必要もあるでしょう。
環境省が推奨している室温の目安は、夏期28℃、冬期20℃です。これはあくまで、室温の目安であって、空調の設定温度を28℃や20℃に設定するということではありません。
冷暖房時の外気温や建物の状況、社員の健康状態を考慮して、適切な室温を保てるように設定しましょう。
このような温度管理によって、温室効果ガス削減に貢献できるほか、店舗の電気代を抑えられます。
業務用エアコンのなかには、省エネ性に特化した製品があります。10年前・15年前のエアコンに比べると、現在の製品は高馬力、高省エネ性のものが多く流通しており、既設の空調を省エネ効果の高い空調に買い換えるだけで、エネルギー使用の効率化が可能です。
導入コストはかかりますが、電気代削減効果が望めるので、空調を入れ替えてから数年で元が取れる可能性も。長い目で見た省エネ化に適しています。
空調の省エネ性に大きく関わる部品に圧縮機があります。この圧縮機の運転方式により、省エネ性の度合いが決まるのです。
室温の変化に合わせて温度を自動調節するタイプのインバータ方式は、効率的に快適な室温を保てるので、電力消費が比較的小さいと言えるでしょう。
外気温や社員の体調にあわせて温度設定する手間も減るため、省力化にも効果的です。
空調制御システムを導入すると省エネ効果が期待できます。
空調制御システムとは、AIを活用した省エネ行動を促進する装置。オフィスなどの過去の電力使用量や気候変動、習慣化している運用方法などを元に、電力使用量の予測や日常的な電気の使い方を学びます。
すると、無駄な電力を使っている時間帯などを発見でき、その無駄を減らすことで、空調利用による電力消費を適切化。無理のない省エネ活動に励めます。
当サイトでは、店舗の省エネ対策として、おすすめの空調制御システムを紹介しています。 店舗の省エネでお悩みの際は、ぜひ、ご参考にしてください。
ここでは店舗等で一般的に利用されている高圧電力を対象とした空調制御システムの選び方を紹介します。
初期費用が0円で導入できる空調制御システムの中から、おすすめのシステムを対象店舗別に紹介します。
エネルギーの見える化に加え、複数店舗のエネルギーデータを集計可能です。それにより、どの設備で多くのエネルギーを使用しているのか、どの時間帯のエネルギー使用量が激しいのかなどを分析しながら空調を制御することが可能。
リアルタイムのデータを一元管理・制御できるので、本社職員の負担を軽減しながら省エネ活動を実現できるでしょう。
特にエネルギー使用量の負担が多い室外機を30分に1度自動停止し、使用電力量の削減を実現します。
その間室内は送風状態となりますが、温度が変化することはないので、店舗の利用者も従業員も問題なく快適に過ごすことができます。
会社名 | 株式会社ムダカラ |
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所在地 | 東京都港区虎ノ門3-4-10 虎ノ門35森ビル 7階 |
電話番号 | 0120-965-367 |
公式HP | https://emcloud.enetoku-navi.com/ |
※選定条件:
契約電力が80kW以上500kW未満に対応している会社で、初期費用無料で、削減した電気料金の中から利用料を支払い、
利用者のコスト負担が実質的に発生しないビジネスモデル企業としてピックアップ(2022年4月調査時点)
社員が意識的に省エネアクションを起こしやすいように見やすいユーザーインターフェースを採用。「いつ・何を・どうするか」が一目瞭然となります。
そのため、管理者からの指示を待たずに社員自身が自ら行動を起こすことにつながります。またタブレットに「エナッジAiR」を追加することで、空調制御が容易なりますし、タブレットから空調を制御・管理できるようになります。
本部では、タブレットで電気使用状況を確認できます。全事業所のリアルタイムの状況を一覧表示できるので視認性が向上します。省エネ達成度が低い事業所にはメッセージを送信でき、適切な指導が可能。一括送信機能が付いているため、本部社員の負担を軽減できます。また月ごとの省エネ活動におけるレポートを自動生成してくれるのも特長の1つ。
省エネ活動状況や電力使用量を一元管理できるので、課題の発見やより良い省エネ対策実行の役に立ちます。
会社名 | 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ |
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所在地 | 東京都千代田区麹町3-7-4 秩父屋ビル3F |
電話番号 | 03-3230-1280 |
公式HP | https://enudge.igrid.co.jp/reason |
※選定条件:
契約電力が50kW以上100kW未満に対応している会社で初期費用0円で空調システムを導入できる会社として選定(2022年4月時点。)。
制御用コンピュータを使用して空調の室外機を自動コントロール。
効率的な負荷率帯で省エネを実現できるので、快適性を維持したまま電気代の削減を図れます。
室内工事不要で、最短2~3日で利用開始できるのもポイント。
室外機に外部制御アダプター(メーカー純正品)とおまかSave-Air®を取り付けるだけなので設置がとても簡単です。
多くの国内メーカーに対応しているため、施設内に複数メーカーの空調設備を導入していても問題なく、 さらに継続してメーカー保証を利用できます。
デマンドコントロールシステムを採用しており、消費電力の現状を検知し、段階的に最大需要電力を抑制。快適性にも配慮しながら、無駄のない省エネ対策を実施します。
また省エネ効果などの稼働状況をWebで見える化。ネット環境があれば、PCやスマホを使用してリアルタイム管理ができるので利便性が高いと言えるでしょう。
直感的なUIなので、難しい操作がなく、誰でも利用できるのも特長のひとつ。空調の設定・変更も容易です。
会社名 | 関西電力株式会社 |
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所在地 | 大阪府大阪市北区中之島3-6-16 |
電話番号 | 0120-926-280 |
公式HP | https://sol.kepco.jp/aircontrol/ |
※選定条件:
契約電力が500kW以上2000kW未満に対応している会社で初期費用0円で空調システムを導入できる会社として選定。(2022年4月時点。)
空調制御システム導入で
賢く店舗電気代を削減
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