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コンビニの省エネ対策事例

地球温暖化が深刻化している現在、その主な対策として二酸化炭素排出量削減のための動きが世界中で注目されています。

東京都内での二酸化炭素排出量は、コンビニエンスストアなどの産業、業務部門が全体の半数近くを占め、そのほとんどが電力によるエネルギー消費。

将来的にさらなる地球温暖化を防止するためにも積極的に省エネ対策を行うことが必要不可欠です。

この記事では、コンビニエンスストアにおける省エネ対策やエネルギー使用状況、実際に行っている事例を紹介します。

省エネ対策を検討しているコンビニエンスストアのオーナーや担当者の方はぜひ参考にしてください。

都内におけるコンビニエンスストアのエネルギー使用状況

全国のコンビニエンスストア店舗数は42,208店舗あり、そのうち約14%の5,706店舗を都内の店舗が占めています。(2007年2月フランチャイズチェーン協会調べ)

都内1店舗当たりの年間電力使用量は、約173,000kWhです。

この年間電力使用量は、年間を通して一定ではなく、コンビニエンスストアにおいては夏と冬の2回ピークがあります。

6月から9月にかけての夏期は1年のうち最も消費量が増え、9月以降は減少傾向です。その後、12月から1月にかけての冬季に再び増加し、3月から5月の中間期には低い消費量で安定します。

参照元:クール・ネット東京公式HP:コンビニエンスストアの省エネルギー対策【PDF】https://www.tokyo-co2down.jp/wp-content/uploads/2021/02/convini_syouene.pdf

コンビニオーナーによる省エネ対策アンケート

コンビニオーナーによる省エネ対策のアンケートでは、以下のような結果が出ています。

省エネ対策の取り組み状況においては、9割近くの店舗で「不要時のこまめな消灯」を実施しており、その他の「空調機器の設定温度の見直し」などの対策も多くの店舗が取り入れています。

また、省エネ設備導入状況は、「看板照明のタイマー自動制御」は8割近くの店舗で導入し、一部の先進的な店舗では特に省エネ効果の高い設備を設置しています。

ここまでをみると、どの店舗も省エネ対策がかなり進んでいるようですが、エネルギー使用量の管理については半数以上の店舗が管理していないと答え、今後の改善が必要です。

参照元:クール・ネット東京公式HP:コンビニエンスストアの省エネルギー対策【PDF】https://www.tokyo-co2down.jp/wp-content/uploads/2021/02/convini_syouene.pdf

コンビニのエネルギー使用量割合

コンビニエンスストアでの電力消費の割合は、店内照明、野外照明、コピー機、ATM等の100V系が55%を占めています。残りの45%は、空調用室外機、アイスクリームケース、フライヤーなどの200V系の機器です。

コンビニでできる省エネ対策・節電

冷蔵冷凍設備

コンビニでは24時間体制で冷蔵庫や冷凍設備が稼働しており、コンビニの電力消費量の中で大きなウェイトを占める一角となっています。そのため、冷蔵庫や冷凍設備の温度調整について再検討し、適切な温度管理を行っていくことが省エネ対策につながり、節電効果を追求していくことが可能となります。

また、冷蔵庫や冷凍設備へ一度に詰め込む在庫の量をコントロールすることも重要です。在庫が多すぎると冷蔵庫や冷凍設備にかかる負荷が大きくなり、結果的にエネルギー消費が増大してしまいます。そのため在庫管理や発注量のコントロールなどを適正化すれば、フードロスを回避しつつ省エネ対策も同時に実行できることがポイントです。ただし、温度を上げすぎて商品の品質劣化が生じないよう配慮することも欠かせません。

また、商品の補充や入れ替えをすばやくするなど小さな心がけを日頃から意識することも重要です。

空調設備

コンビニエンスストアは、お客様の出入りが多いため、空調設備に負担がかかりやすいのが特徴です。また、営業時間も長く、電気消費量も多くなりがちでしょう。

空調設備はコンビニのエネルギー消費や、利用客にとっての快適性を左右する重要なファクターです。空調設備の温度を見直して冷えすぎや暖めすぎを回避することで、省エネ対策を進めることができます。ただし、冬場の夜間なのに室温が低すぎたり、夏場の昼間なのに暑すぎたりするなど、季節や時間帯によって室温を調整するといった取り組みも合わせて行わなければなりません。

また、空調設備の省エネ対策を考える際、入口の開放やバックヤードのエアコンの付けっぱなしといった点にも注意しなければなりません。特に入口の扉を開けっぱなしにしていると空調設備を使っても適切な空調管理が行えないため、無駄なコストが発生しないように意識しておきましょう。

空調制御システムの導入もおすすめ

店内の人数や時間帯、季節など様々な条件に合わせて自動的に空調の設定温度を管理することは省エネ対策として効果的です。しかし、コンビニの業務は多種多様であり、常に空調設備を行えるとも限りません。

そのため、システムが自動的に空調の温度管理や湿度調節を行ってくれる空調制御システムを導入することも有効な省エネ対策になります。

ただし空調制御システムの導入にはイニシャルコストが発生するため、全体的なトータルバランスを検討してください。

店舗の省エネ対策に!
おすすめ空調制御システム3選

照明設備

24時間365日体制で営業を続けるコンビニにおいて、照明設備は常に利用され続けられている電気設備です。コンビニエンスストアの照明電力は、実に店舗全体の約10%の電力量を占めています。

そのため、接客エリアの照明設備をLED照明に変更することで、長期的に見た場合のランニングコストを抑えられるようになります。

一方、バックヤードや倉庫に関してはこまめに電気を消して無駄づかいを防ぐといった、人の力による省エネ対策を進められることも重要です。

LED化にはコストもかかるため、まずはできることから取り組みを始めるようにします。

加熱保温設備

レジの横に置かれているホットスナックの什器など、加熱保温設備もコンビニの目玉商品の1つです。ただし、常に加熱保温設備を温めておくと電気代が増大していくことも事実です。

そのため、ホットスナックの売れる時間帯や人気商品の傾向などを分析しながら、期待できる売上と発生するコストのバランスを見極めていかなければなりません。状況によっては売上の少ない深夜帯の加熱保温設備を停止させるなど、即時的な取り組みを進められることもあります。

コンビニにおける省エネ対策事例

ここでは、大手コンビニエンスストアが実施している省エネ対策の事例を紹介します。

省エネを考えている方はぜひ参考にしてください。

ローソンの事例

ローソンはこれまで環境温暖化防止のために、CO2冷媒の冷凍・冷蔵システムの導入など、電気使用量の削減に積極的に取り組んできました。

さらには、2030年の目標として、1店舗当たりのCO2排出量50%削減を目指しています。

ここでは、ローソンが実施している省エネ対策を紹介します。

ローソンの省エネ事例を見る

セブン-イレブンの事例

世界規模でコンビニエンスストアをチェーン展開しているセブン-イレブンは、環境に配慮した店舗を国内外で展開し、積極的にCO2削減に向けて取り組んでいます。

ここでは、セブン-イレブンが実施している省エネ対策を紹介します。

セブン-イレブンの省エネ事例を見る

ファミリーマートの事例

ファミリ―マートでは、さまざまな省エネに取り組んでおり、空調、照明、太陽光発電などで省エネ対策を行い地球環境に配慮。

ここでは、ファミリーマートが行っている省エネ対策の事例を紹介します。

ファミリーマートの省エネ事例を見る

ミニストップの事例

ミニストップは、地球温暖化を防止するために、空調制御システムや高効率設備の導入による省エネ化などはもちろん、店舗の運営にかかわるさまざまな無駄を省いて、省資源、省エネルギーに努めています。

この記事では、ミニストップが実施している省エネ対策を紹介します。

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【コンビニの電気代】内訳と平均、節電の方法は?

コンビニの電気代は、空調設備、冷蔵・冷凍設備、加熱・保温設備、照明など実にさまざまなところで使われています。平均的なコンビニで必要となる電気代の目安や節電方法をまとめました。

店舗スタイルや規模にもよりますが、電気代の平均額は月額約30万ともいわれます。自社のケースと照らし合わせながら確認してみてください。

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