店舗で利用している業務用エアコンの電気代は決して安いものでなく、電気代の節約を考える上でエアコンの利用法を再検討することは重要です。
一般論として電気機器の電気代は以下の計算式で算出されます。
なお業務用エアコンの場合、空調能力は「KW(キロワット)」または「馬力」で示され、それらの数値が大きくなるほどエアコンの出力が大きくなって空調効果が高まる一方、消費電力量も増大します。消費電力も「kW」で示すため混同しがちなので気をつけましょう。
ちなみに1馬力は2.8kwで、約8畳分くらいの空調管理能力をもつとされています。またエアコン需要の高い季節やエネルギー関連の世界情勢によっては、電気の使用量だけでなく電気料金(単価)が変わることもあります。
店舗のエアコンに関する電気代を考える場合、基本的には上記の計算式を使ってカタログスペックからシミュレーションできます。
しかし、エアコンは常に最大能力で稼働しているわけでなく、外気温や室温、店舗内にいる人の数など様々な条件によって動作状況が異なります。
そのためエアコンの基本性能と、実際に支払っている料金を改めて比較し、誤差について検討することも大切です。
エアコンのフィルターにホコリが付着していると空調効率が悪化して無駄な電力消費が増えます。定期的にフィルターを清掃して空調効果を適正な範囲で維持しておきましょう。
設定温度を調整することでエアコンの消費電力を抑えることが可能です。ただし顧客や従業員に負担をかけたり不快感を抱かれたりしないように、店舗として適切な環境を維持できる範囲を考えるようにしてください。
省エネ型のエアコンを導入することで、同じ設定温度でも消費電力量を抑えることができます。ただし新しいエアコンの導入にはイニシャルコストが必要になるため、現状のエアコンと比較してどの程度の節約効果を期待できるのか、冷静にシミュレーションすることも大切です。
現状の契約プランや電力会社を確かめた上で、他の電力会社や契約プランと比較検討するようにしましょう。なお、どのような契約プランを選ぶか考えるためには、店舗の営業スタイルや業務内容などをきちんと把握してマッチングすることが欠かせません。
店舗や大規模な事業所などで利用される業務用エアコンと、一般家庭や小規模オフィスなどで利用される家庭用エアコンでは、冷暖房の調整能力の他にも様々な違いがあります。
例えば、家庭用エアコンの電源は単相100V や単相200Vが主流ですが、業務用エアコンでは単相200Vや三相200V(動力)が使われています。また、家庭用エアコンは壁掛形が基本ですが、業務用エアコンでは天井埋め込み型や床置き型など設置環境に合わせて複数のスタイルが採用されるでしょう。
当然ながらエアコンの空調効果は業務用エアコンの方が大きくなりますが、導入費用や設置工費の費用といったイニシャルコストも業務用エアコンの方が大きくなります。
家庭用エアコンはあくまでも日常的な居住空間を対象とした空調機器であり、調整能力や設計コンセプトもそれに準じます。
業務用エアコンを導入する際は設置スペースや店舗の規模、通常時の設定温度や営業時間といった各種条件をリストアップし、多角的に検討することが大切です。