CSRとは、企業は利益を追求するだけでなく、利害関係者に対し責任を負うべきであるといった考え方のこと。
2000年以降、CSRの考え方は広く議論されるようになり、企業もCSRに高い関心を持つようになりました。
ここでは、企業にとってCSRが必要になった背景から、外食業界やコンビニ業界におけるCSR活動や省エネ活動についてまとめています。
CSR活動が必要になった背景は、企業による不正行為が頻発に発生し、企業に対して社会の見る目が大きく変わったことがあげられます。例えば食品業界の産地偽造問題や消費期限の偽造など。
さらに、環境問題などに対する社会への関心と、企業への監視の目が強まったことから、今後はますます企業の社会的責任が必要となって行く傾向があります。
企業の環境面対策(省エネ)としては、電気の利用状況をリアルタイム監視し収取したデータを「見える化」することで、改善余地を特定し、特定の箇所に対し自動制御システムや高率的な省エネ機器の導入などの改善対策を行っています。
さらにCO2削減でカーボンニュートラルも目指しています。
CSRとは、簡単に言うと企業が果たすべき社会的責任のことを指しています。
企業は社会的責任の範囲が広く、消費者や取引先、自社の従業員、環境、株主など幅広いステータスホルダーに対して責任を負うべきであるという考え方です。
企業は納税や従業員の雇用だけでなく、社会の中で企業の行動がどんな影響を及ぼすかを考えて思考決定をおこない事業を存続していくかを意識していくことが求められています。
飲食店に求められるCSRとは、仕入れ業者から仕入れる食材、食材を調理する従業員など、飲食店に関わる人・モノ(食材など)に対する責任を果たすことです。
すかいらーくホールディングスは、店舗の照明に消費電力の少ない照明を採用し、業務用燃料電池により熱と電気の効率化を図るなど、さまざまな省エネ活動をおこなっています。そのほか、食料品管理と一次加工を行っている、同グループのセントラルキッチンでは、蓄氷冷却システムを導入し、二酸化炭素の削減に取り組んでいます。
びっくりドンキーは、地中熱ヒートポンプの導入や、割れない素材でつくられたグラスの導入を通して、省エネ活動を図っています。さらに、エネルギー使用の低減を目指し、エコ検針やホールの室温管理、冷蔵・冷凍機器のメンテナンスを実施することで、エネルギー使用時のムダを省いています。
スーパーなど商業施設に求められるCSRとしては、幅広いステータスホルダーに対し責任を果たすことです。また、店舗の照明や空調設備の省エネ化および、CO2排出量の削減などが求められています。
イトーヨーカドーは、太陽・風・地熱など自然エネルギーを利用した発電を採用し、店舗の省エネ化を目指しています。さらに、配送ルートの見直しによりCO2削減の推進を行っています。そのほか、新店舗への対策として、LED照明の採用や、店舗の空調に地熱を利用するなど、省エネとCO2排出量の削減を行っています。
サミットでは店舗内の冷蔵庫・冷凍庫、ショーケース内の照明を消すことで、冷却効率を改善し、エネルギー使用量の削減を実現しています。また、各店舗への配送トラックの経路や回数を見直すことで、CO2排出量の削減に努めています。さらに、 お米の袋に持ち手を付けることで、レジ袋の削減に努めています。
イオンは、「イオン ふるさとの森づくり」と称して、新店舗を構える場所への植樹を行うことで、森づくり・森林再生へ積極的に取り組んでいます。さらに、イオンでは、脱炭素化を目指し、環境に優しい脱炭素型住宅や電気自動車(EV)の購入をサポートする取り組みを展開しており、各家庭で発電したエネルギーの余剰分を店舗で利用することも計画しています。
ヤオコーは、自社の保有するリサイクル工場で資源を小さく圧縮しています。また、普通であれば廃棄されてしまう食材の切れ端も加工品として再利用しています。また、脱酸素社会を目指し、省エネとCO2排出削減の施策として、照明をLEDに交換、さらにデマンド監視システムを設置することで節電しています。そのほか、屋根に太陽光発電システムなどを設置することで、再生可能エネルギー100%への切り替えを行っています。
コンビニに求められるCSRは、店舗の照明器具にLEDや太陽光発電パネルを設置するなど、店舗に省エネ設備の設置が加速しています。 そのほか、レジ袋の厚みの変更や、おにぎりや寿司、チルド弁当を含む弁当類の全品のお米を無洗米に変更することでCO2削減や節水を目指しています。
ローソンは、2019年に長期目標として環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」を策定しています。「Lawson Blue Challenge 2050!」では、SDGsを目指している、CO2排出量の削減、容器包装のプラスチックレスやレジ袋の削減などの環境問題に対応する仕組み作りなどが織り込まれています。
セブン-イレブンは、CSR活動方針として、コンプライアンスの徹底やリスクの軽減を図ると同時に、社会問題の解決に対し積極的に取り組み、社会責任を果たし、経営の誠実さと透明性を追求しながら企業としての役割を果たしています。また、お客様のニーズに対応することでお客様満足度と企業価値の極大化を図っています。
ファミリーマートは、急速に変化する社会に対し、地域のお客様の期待に応え、地域の社会問題の解決に貢献することが責任と考えています。商品やサービスの提供を通し、お客様や地域社会に「より良い生活」を提供することで、新鮮で楽しい生活の提供を目指しています。
ミニストップは、お客様、地域社会、取引先、加盟店、従業員、株主、行政機関、NPO・NGOなどさまざまな人々との関係を大切にしながら事業を展開しています。さらに、温室効果ガスの排出削減活動を適切に行うために、「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」を参考にGHGマネマネジメントシステムの構築を行い、配送、店舗、事務所などの社員の移動に直接排出領域を定めています。