
自動車業界の省エネ対策は自主的かつ継続的な行動が求められており、製品だけでなく社員の思考・行動まで多岐にわたります。そんな中スバルはいち早く行動を起こし、環境省が進める「エコアクション21バリューチェーンモデル事業」を2011年3月に国内で初めて導入しました。
※参照元:スバル公式HP:(https://www.subaru.co.jp/press/news/2016_11_25_3264/)
エコアクション21のモデル事業社として、全特約店・全拠点で運用を促進し、実効性の高い環境経営を目指したスバル。
当サイトを運営するZenkenの編集チームが今回お話を聞かせていただいた福島スバル自動車でも、省エネ対策として何が行えるか模索を開始。省エネルギーや廃棄物の削減・リサイクルなど、それぞれに対して目標を掲げつつ、社員一人一人の小さな意識からスタートしたそうです。

今回インタビューに応じてくださったのは、福島スバル自動車株式会社の営業支援課・若林宏樹様です。省エネ対策を始めた当時の取り組みや現在の状況、今後の展望についてお伺いしました。
若林様:
販売店ですので、お客様が利用される営業時間内では照明や空調機器を中心とした電気使用量の削減には難しい現状があります。
社員のみが使用する時間帯や場所での節電やコピー用紙の裏紙再利用を一例とした紙資源の節約など裏方の人的努力がメインとなっていました。
それに加えて、それぞれの行動が実際にどのくらい省エネ効果があるのかわからなかったこともあり、持続的なモチベーションに繋がりにくいと感じていました。
課題を感じていた時に出会ったのが、「EM CLOUD(イーエムクラウド)」。ふとしたことから目にしたこのサービスは、経営的な視点から見て根本的な解決につながるのではと感じたそうです。
若林様:
エコアクション21をスタートしてから年々省エネの意識は高まっていたものの、決定的な仕組みが必要だと感じていました。そのため、EM CLOUDを知って「これは一歩前進するのでは」と感じました。
興味を持ったことから、並行して電力削減に関する様々なシステムも調べつつ、ユビニティー(メーカー)に問い合わせました。
さまざまなシステムを検索してみましたが、すぐに話を伺いにきてくれたのがユビニティーさんでした。

実際にお話を聞いたうえで、どれくらいの削減効果を見込めるかがわかる、導入シミュレーション調査を依頼されたそうです。
若林様:
一年間の電気料金明細を提出し、店舗内の空調機器を調査していただき、細かな報告書が届きました。
報告書の中には導入した際の年間削減金額や削減使用量などがまとめられていたそうです。
若林様:
どの時間帯の使用量が高いかがわかり、導入によって電気のデマンドピークを押さえ使用を標準化することで、電気代が抑えられることも学べました。なにより可視化で省エネの対策も立てやすいのではと感じました。
EM CLOUDの大きな魅力の一つである初期費用0円ですが、ハードルの低さだけで導入を決めたわけではないという若林様。
若林様:
導入時の投資が不要というのはもちろん大変な魅力でした。ですが初期費用が0円だとしても結果が出ないものを契約することはありません。
最終的な決め手となったのは、報告書の中で電気料金として10%ほどの削減が行えるというシミュレーション結果と、製品の特性から高い確度で電気料金を削減できるということをご説明いただいたことです。

現在、福島スバル自動車では車の洗車や整備機械装置も主に電気で行っており、さらには2022年5月にスバル初の電気自動車「SOLTERRA」を発売したばかり。今後、電気の使用量が増える傾向も考慮するポイントだったそうです。
若林様:
エコアクション21の認証店として、3ヶ年の中期計画を立て、各年度の削減目標の達成に取り組まなければならないのですが、電気の使用先が多くなっていくことも予測されていました。
このシステムを導入して削減しながら必要なところに使っていくという対策は、今後の電気の依存度を考えてもベストな選択肢だと感じました。
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導入後、30分単位でクラウド画面にて電気の使用量が確認できることが社員に好評で、何に電気が使われているのか原因特定がしやすくなり、具体的な行動指針につながっているようです。
若林様:
これまでは、省エネを意識していたのにあまり減ってない…ということがありました。ですが、今後何をしたらいいのかという対策もわからなかったので、目標が立てにくい状態でした。
電気という見えなかったものが可視化されたことにより、時間帯での使用方法がわかり新しい発見が多くありました。「この時間が多いということは、あれを気を付けよう」だとか、みんなが帰った後に電気が使われた形跡があると「誰かエアコン消し忘れたか?」(笑)なんてことも社員同士で気づきを共有していくことができました。
また、今回の導入をきっかけに省エネに対する意識が変わっていったといいます。
若林様:
正直にいいますと、エコアクションを続けていく中で、省エネとは我慢が必要なことなのかなと感じていました。それは知識がなく、何が効果的かを理解していなかったことが大きいことに気づきました。
EM CLOUDでは、システムの導入サービスの一環で、電気の使用方法についてもアドバイスをしてくれるそうです。
若林様:
導入時もかなりわかりやすく説明いただきましたが、現在も「●月●日●時●分にとても電気が使用されていましたが、何かありましたか?」なんて連絡がきます。それにより原因を探し出せ、対応策もわかりやすくアドバイスしてくれるので、省エネの知識がついてきました。これは電気だけでなくほかのエコアクションにもつながっていて、社員の中でも省エネに対してのネガティブなイメージが変わっていったと思います。

現段階でEM CLOUDの導入は福島スバル自動車全店のなかでも福島店のみの導入ですが、全店舗のなかでもお手本となるような結果を出したいとお考えのようです。
若林様:
普段のエコアクションの行動はそれなりの工数が必要なのですが、このシステムを導入したことでお任せできる部分の楽さや、見える化による社員のモチベーション向上効果もあり、導入して本当に良かったと思います。
省エネに関する知識がついてきたので、電気だけにとどまらない活動で、スバル全店の中でもダントツの省エネの成果を出していきたいですね。
取材協力
福島スバル自動車株式会社
URL:https://www.fukushima-subaru.co.jp/