店舗省エネマガジン|エレバリュ » コンビニの省エネ対策事例 » 【コンビニの電気代】内訳と平均、節電の方法は?

【コンビニの電気代】内訳と平均、節電の方法は?

営業時間が長いコンビニ経営をしていると「電気代の高さ」に悩まされるという方もおられるのではないでしょうか。この記事では、コンビニの電気代とその節電方法についてご紹介します。

コンビニの1か月あたりの電気代は、およそ30万円

売り場面積や設備にもよるため一概には言えませんが、コンビニの1か月あたりの電気代はおおよそ30万円。2013年3月に東京都環境局が発表した「コンビニ店長のための節電ガイド」によると、都内にあるコンビニの平均的な1年間の電気代は約334万円で、1か月に換算すると27,8333円(約30万円)となります。

しかし、延べ床面積140㎡程度のコンビニの場合年間150万円程度(1か月に換算すると12.5万円)とするデータもあり、店舗の面積によって幅がある結果になっています。コンビニの7割弱が売り場面積100㎡以上250㎡未満であるという調査結果を参考にすると、過半数の店舗では月12.5万~25万円程度と考えることもできます。

参照元:【PDF】東京都環境局 東京都地球温暖化防止活動推進センター コンビニエンスストアの省エネルギー対策

参照元:【PDF】環境省地球環境局 民生(業務)分野における温暖化対策技術導入マニュアル

参照元:【PDF】経済産業省 4.業態別にみた売場面積

コンビニの電気代内訳

では、3階建ての1階部分(125㎡・フライヤーなし)をコンビニとして使用するビルインタイプを例にあげて、電気代の内訳と比率などについてご紹介します。

空調設備

エアコンなどの空調設備の割合は約22.2%程度。

夏は涼しく、冬は暖かくする必要がある空調設備は、24時間稼働しているため、大きな電力消費となります。また、お客さんの出入りの度にドアが開くため、空調効率が悪いのも特徴でしょう。

冷蔵・冷凍設備

冷蔵が必要な飲み物やスイーツ、冷凍設備が必要となるアイスクリームや冷凍食品などの販売に要する電気代の割合は全体の約41%と非常に大きなウエイトを占めます。

お客さんが商品を手に取りやすいオープンスペース(ガラス仕切りなし)を採用するところが多いため、消費電力も大きくなるでしょう。

加熱・保温設備

お弁当の温め、肉まんなどの保温などに欠かせない加熱・保温設備は約11.3%。

比率的にみると少なく感じますが、オフィス街にある店舗の場合、お昼ご飯を購入したお客さんが電子レンジを使用する頻度が高く、電力消費が多くなりがちです。

照明

照明設備に要する電気代は約17.5%です。

店内はもちろんのこと、ショーケース、看板、街灯、駐車場用照明などにも必要で、お客さんがいるいないにかかわらず24時間使われる費用となります。

その他

これ以外にも、商品の陳列ケースを低温に保つために設置されるエアーカーテンなどにも、約8%程度かかってきます。

【夏・冬】コンビニで電力消費が多い時間帯と、節電方法

【夏】コンビニの電力消費が多い時間帯は10時~20時ごろ

夏のコンビニ営業における電力消費が多い時間帯は10時~20時頃と、太陽が出ている時間帯が基本です。また、どうしても外気温が高い時期はエアコンの稼働率が増大して、電気代が高くなってしまう原因になりやすいでしょう。

夏にできるコンビニの節電方法

【冬】コンビニの電力消費が多い時間帯は10時~20時

冬のコンビニ営業における電力消費が多い時間帯は10時~20時頃になっており、コンビニ利用客が多い時間帯が重なっていると考えられます。また照明機器や空調機器だけでなく、ショーケースや調理機器の利用法も再検討しましょう。

冬にできるコンビニの節電方法

コンビニの電気代を節約するには?

消費割合の多い空調設備を見直す

空調設備を見直すためには、温度設定を今一度確認することや、エアコンの効きをよくするための定期的なクリーニングなどがおすすめ。

また、室外機に定期的に水をかけたり遮光したりして熱を逃がすといった方法もあります。

室外機の設置環境を整える

一般論として、室内のエアコンの設定温度と外の気温との差が大きいほど、エアコンを使う際の電気代が高くなります。その上で、室外機の設置環境や置き方が悪いと、室外機から吐き出された熱風がそのまま返ってきて本来の外気温よりも高い温度を感知してしまいます。

そのため室外機の設置環境や置き方を工夫して、効率的に熱が逃げる状態を保ってやれば、室外機のセンサーが必要以上の高温を検知せずエアコンの電気代も抑えられるということがポイントです。

空調制御システムの導入を検討する

空間制御システムは空調設備をコントロールして、無駄なエネルギー使用量を削減して適正化するためのシステムです。また、エアコンがどのように動作しているのか稼働状況をグラフなどで視覚化して、具体的にどのようなポイントでコストが肥大しているか検証する役にも立ちます。

快適さを維持しつつコストマネジメントをするために有効です。

売り場やバックヤードでは、設定温度を守ってエアコンを使用する

店内の各エリアごとに適切な設定温度を決めておき、その範囲でエアコンを使用するように徹底することが大切です。また、季節や天候によって適温設定を変更して快適さを損なわないように注意しつつ節電効果を追求します。

バックヤードのエアコンを切る

バックヤードのエアコンを切ることも1つの方法です。ただし、明らかに暑い季節のエアコンを禁止したり、寒い部屋で薄着のまま過ごさせたりすれば労働環境が悪化します。エアコン利用のルールを考え、ウォームビズなども併用するようにしましょう。

夏の夜や冬の昼間など、適温の際はエアコンを使用しない

時間帯や天候によって、夏や冬でも外気温や室内環境は異なります。例えば夏でも夜間の冷房をストップしたり、冬でも昼間の比較的暖かい時間帯は暖房の利用を控えたりと、タイミングによってエアコンの利用法を考えることも大切です。

なお、エアコンを完全に止めるだけでなく、その都度設定温度を変更して動作レベルを調整するといった方法も有効です。

エアコンを使うときは店舗入り口をしめる

エアコンの適切な利用法を考える上で、室内の冷気や暖気を逃がさないよう対策することが欠かせません。店舗の出入り口や各部屋の扉をきちんと閉めて、空気の流出を最小限に抑えるよう日常的に工夫することが大切です。

参照元:【PDF】東京都環境局 東京都地球温暖化防止活動推進センター コンビニエンスストアの省エネルギー対策

照明を見直す

照明の見直しとして、電球をすべてLEDに変えるのもおすすめです。ただし、電球の交換をするよりも安定器を取り外した方が有効なケースもあるため、事前にチェックしてみましょう。

日常的にできる節電を心がける

陳列台などのエアーカーテンに商品や値札が引っかかって、庫内と庫外の気流が乱れないようにすることや、商品の入れ替えや補充をできるだけスピーディーにするなど、ちょっとした節電を心掛けることも大切です。

電気料金プランを見直す

電気料金のプランを見直すことで、使用している電気の量は変えずとも総合的に電気代を安くできる可能性があります。

特に2016年の電力自由化によって低圧電力は様々な事業者が取り扱いを始めており、料金プランにも違いがあります。まずは色々な電力事業者を比較検討して、お得なプランを探してみましょう。

なお、時間帯によって電気代が安くなったり高くなったりするため、単価を比べる際は必ず24時間を前提として総合的に検証してください。

まとめ

電気代は数%程度削減することができれば、ダイレクトに利益率に跳ね返ってきます。

しかし、どこから手を付けていけばいいのか分からない…、効果がでやすい電気代削減方法は何から取り掛かればいいのかなど、悩んでいる方は、まずはそれぞれの省エネ対策に特化した業者に相談すると良いアイデアをもらえるでしょう。