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衣料品店の省エネ対策事例

なぜ衣料品店が省エネに取り組まなくてはならないのか

そもそも、どうして衣料品店が省エネに取り組む必要があるのでしょうか?実は、ファッション業界が世界で第2位の環境汚染産業(2019年時点。)だという指摘を国連貿易開発会議から受けているのです。

炭素排出量を見てもファッション業界は、国際航空業界と海運業界を足したものよりも多い量を排出しています。

したがって、できる限り倫理的で持続可能な衣料品の生産を確保することが、きわめて重要となっています。

参照元:国際連合広報センター:https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/

衣料品店におけるエネルギー消費状況

衣料品店がテナントとして入っている百貨店では、空調動力・冷暖房用4割、照明・コンセント用3割の消費状況です。

同様に衣料品店がテナントとして入ることが多いスーパーでは、電力需要が大半を占めます。

大規模な店舗では、店舗内外の照明、ディスプレイ用照明の電力消費が多くなり、小規模な店舗では、ショーケース等の冷凍冷蔵用の電力消費が多くなるでしょう。

具体的には、延べ床面積1万m2程度のスーパーで1年間の電気代が7千万円程度との事例があります。

参照元:環境省:民生(業務)分野における温暖化対策技術導入マニュアル【PDF】https://www.env.go.jp/earth/report/h15-07/02_02b.pdf

地球温暖化対策の実施状況

国内における地球温暖化対策の実施状況(2019年)を見てみましょう。

温室効果ガス排出量については、2020年度までに2013年度比で10%削減という目標に対し、11.7%減少という結果が出ています。

また、エネルギー使用に関する取組としては、事務所の単位面積当たりの電気使用量について、2020年度までに2013年度比で10%削減という目標に対し3.2%減少などとなっています。

参照元:環境省HP:2019年度における政府実行計画の実施状況概要【PDF】https://www.env.go.jp/council/06earth/y069/y069-2020_1/20210301_01shiryou2.pdf

事業者アンケート状況

省エネに関する事業者アンケートの状況について紹介いたしましょう。

まず、「貴社は、法人又は事業場全体として、省エネルギーに関する取組を行っていますか」という質問に対し、「省エネルギーに関する取組を行っている」と回答した事業者は全体の65.0%にのぼっています。

一方、「取り組んでいないが、取り組んでいきたいと考えている」と回答した事業者が23.9%、「取り組む予定はない」という回答が10.6%という結果でした。

さらに、省エネルギーに関する取組を行っている事業者に「貴社では、省エネルギーを推進するための担当者がいますか」ときいたところ、「担当者がいる」と答えた事業者は 69.7%でした。

参照元:経済産業省公式HP:中小企業における省エネルギーへの取組に係る実態調査アンケートの結果について【PDF】https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/sho_energy/data/questionnaire.pdf

衣料品店でできる主な省エネ対策

空調

衣料品店でできる主な省エネ対策としては、まずは空調での対策が考えられます。具体的な対策としては、運転時間の削減。

空調設備の運転時間の長さは、使用電力量に直結します。そのため、空調設備の運転時間を極力減らすよう管理することが大切です。

また、フィルターのクリーニングも有効です。ほこりや汚れでフィルターが目詰まりしていると、室内に送られる冷風や温風の量が低減し、意図した空調管理ができません。店舗の状況をみながら定期的に清掃を行うことが重要となっています。

そして、おすすめなのが「空調制御システムの導入」です。これにより、電気式空調機の運転をコントロールし、使用量を抑制することができます。メリットとしては室内の温度変化がなく、無理のない省エネ省コストが可能となります。

店舗の省エネ対策に!
おすすめ空調制御システム3選

照明

衣料品店でできる主な省エネ対策として、次に照明での対策も紹介します。着手しやすい方法として、手軽にできるのが「不必要な照明点灯の削減」です。金銭的コストをかけずに実施できます。

また「店舗の照明をLED照明に変更する」という方法もあります。 LED照明は白熱電灯よりも導入費用がかかりますが、消費電力が少ないため照明のエネルギー効率化に繋がるでしょう。

さらに高効率蛍光灯の1つ、「Hf蛍光灯」を導入するということも考えられます。従来の蛍光灯に比べて約20%の省エネ効果が得られます。

冷蔵・冷凍

冷蔵・冷凍での対策としては、「省エネルギー効果の高いノンフロン冷凍・冷蔵システムの導入」も有効です。例えばCO2を冷却物質として使用する冷凍・冷蔵システムを導入すれば、CO2はフロンに比べて地球温暖化への影響が約4,000分の1とされており、ノンフロン冷凍・冷蔵システムの普及は地球温暖化の抑制に繋がるでしょう。さらに省エネ効果にも優れています。

衣料品店における省エネ対策事例

それでは、具体的には衣料品店においてどのような省エネ対策がとられているのでしょうか?

ここではいくつかの事業者について事例を紹介します。

ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)の事例

ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)では具体的な取り組みとして、仕上げ加工工程で水使用量を削減するプログラムを行っています。さらに店舗の照明をLEDに変更するなどの省エネ対策を実施。

ここではファーストリテイリング(ユニクロ・GU)の事例を紹介します。

ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)の
省エネ事例を見る

しまむらの事例

しまむらでは廃棄物の削減や商品調達における環境配慮、CO2排出量の削減など、環境に配慮した事業活動を行っており、具体的には空調機器の省エネ化、LED照明への切り替え、物流の効率化といった省エネ活動を実施。

ここではしまむらの事例を紹介します。

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洋服の青山の事例

洋服の青山では環境保全活動の一環としてLEDの導入、空調設備の改修、搭屋看板の点灯時刻管理の徹底といった省エネ活動が行われています。

ここでは洋服の青山の事例を紹介します。

洋服の青山の省エネ事例を見る

AOKIの事例

最後に、AOKI では「地球環境に優しさを」ということで電力使用量の削減、ウール・エコサイクル・プロジェクトの継続実施、紙資源の削減などを実施中です。

ここではAOKIの事例を紹介します。

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